麻薬騒ぎが解決して落ち着くかに見えた美鶴の周囲。だが、全校生徒の前で心の内を宣言した山脇と聡。さらには、彼らを追っかける女子生徒たちの存在もあって、美鶴の日常は騒がしさを増すばかり。
一人落ち着く為の場所だった駅舎にまで唐渓の生徒が押しかけ、聡と山脇は勝手にライバル心を戦わせる始末。
もはや美鶴の居場所は自宅しかないのか?
しかし、最後の砦と言うべき自宅が火事で全焼。
突然路頭に迷ってしまった美鶴母子に救いの手を差し伸べたのが、霞流慎二という男性。
美鶴に駅舎の管理を任せてきた人物。まったく知らないという間柄でもないが、かと言ってそれほど親しい仲でもない。にも関わらず、快く美鶴母子を自宅へ案内する霞流。
戸惑いながらも他に行くアテはない。誘われるままに付いて行った先は、超豪邸。呆気に取られながらも、とりあえず一晩を過ごさせてもらう二人。
翌朝、さて今後はどうしようと思案する美鶴に、次々と援助を申し出る霞流。お気楽な母の詩織へ軽蔑の視線を向け、霞流に不信感を抱きながらも断りきれない美鶴。
一方、やたらと美鶴に世話を焼きたがる霞流の存在に、聡も山脇も嫉妬心がメラメラ。あからさまに対抗心を剥き出しにする聡とは対照的に、山脇はその想いを内に秘める。
霞流にばかり、いい格好はさせない。
だがその嫉妬心の矛先は、なにも霞流一人ではない。そう、霞流よりももっと身近なライバル。金本聡。
幼馴染として親し気に話す二人の姿に、山脇は焦りすら感じる。
もっと近づきたい。役に立ちたい。
そう思って、山脇は美鶴のために、高級マンションの一室を提供する。だが、山脇の申し出を断る美鶴。
どうしてっ? 霞流の家には泊まったクセに、僕の用意した部屋はダメなのっ?
場を収めようと割って入った聡の存在が着火材となり、山脇は秘めていた胸の内を暴走させる。冷静沈着な山脇の変貌に、唖然とする美鶴と聡。
そんな二人に対して、無意味に嫉妬心を暴走させてしまった山脇は、事を納めるべくこう告げる。
「僕のことも、名前で呼んで」
結局、山脇の用意したマンションに住むことになった美鶴と母の詩織。めでたしめでたしと状況を120%受け入れる詩織を横目に、美鶴にはまだまだ悩みがいっぱい。
意外に熱い想いを秘める山脇瑠駆真。一歩も引くつもりはない金本聡。未だ彼らの想いを認めようとしない、頑固な美鶴。そんな彼女に、もう一人の気になる存在。
そもそも霞流慎二って、いったい何者?
一向に落ち着かない美鶴の周囲に、またまた新たな人物登場。
山脇に向かって親し気に声をかける黒人美女と、聡に付きまとう謎の男子生徒。さらには聡の義妹の存在に、アパートの火事の謎。
それぞれの想いと思惑が絡まりあい、知らぬ間に美鶴も巻き込まれていくのです。
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