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【アラベスク】  第2章 真紅の若葉



すごく大雑把な [ あらすじ ]




  麻薬騒ぎが解決して落ち着くかに見えた()(つる)の周囲。だが、全校生徒の前で心の内を宣言した山脇(やまわき)(さとし)。さらには、彼らを追っかける女子生徒たちの存在もあって、美鶴の日常は騒がしさを増すばかり。
 一人落ち着く為の場所だった駅舎にまで唐渓(からたに)の生徒が押しかけ、聡と山脇は勝手にライバル心を戦わせる始末。
 もはや美鶴の居場所は自宅しかないのか?
 しかし、最後の砦と言うべき自宅が火事で全焼。
 突然路頭に迷ってしまった美鶴母子に救いの手を差し伸べたのが、霞流(かすばた)慎二(しんじ)という男性。
 美鶴に駅舎の管理を任せてきた人物。まったく知らないという間柄でもないが、かと言ってそれほど親しい仲でもない。にも関わらず、快く美鶴母子を自宅へ案内する霞流。
 戸惑いながらも他に行くアテはない。誘われるままに付いて行った先は、超豪邸。呆気に取られながらも、とりあえず一晩を過ごさせてもらう二人。
 翌朝、さて今後はどうしようと思案する美鶴に、次々と援助を申し出る霞流。お気楽な母の詩織(しおり)へ軽蔑の視線を向け、霞流に不信感を抱きながらも断りきれない美鶴。
 一方、やたらと美鶴に世話を焼きたがる霞流の存在に、聡も山脇も嫉妬心がメラメラ。あからさまに対抗心を剥き出しにする聡とは対照的に、山脇はその想いを内に秘める。
 霞流にばかり、いい格好はさせない。
 だがその嫉妬心の矛先は、なにも霞流一人ではない。そう、霞流よりももっと身近なライバル。金本聡。
 幼馴染として親し気に話す二人の姿に、山脇は焦りすら感じる。
 もっと近づきたい。役に立ちたい。
 そう思って、山脇は美鶴のために、高級マンションの一室を提供する。だが、山脇の申し出を断る美鶴。
 どうしてっ? 霞流の家には泊まったクセに、僕の用意した部屋はダメなのっ?
 場を収めようと割って入った聡の存在が着火材となり、山脇は秘めていた胸の内を暴走させる。冷静沈着な山脇の変貌に、唖然とする美鶴と聡。
 そんな二人に対して、無意味に嫉妬心を暴走させてしまった山脇は、事を納めるべくこう告げる。

 「僕のことも、名前で呼んで」

 結局、山脇の用意したマンションに住むことになった美鶴と母の詩織。めでたしめでたしと状況を120%受け入れる詩織を横目に、美鶴にはまだまだ悩みがいっぱい。
 意外に熱い想いを秘める山脇瑠駆真。一歩も引くつもりはない金本聡。未だ彼らの想いを認めようとしない、頑固な美鶴。そんな彼女に、もう一人の気になる存在。
 そもそも霞流慎二って、いったい何者? 
 一向に落ち着かない美鶴の周囲に、またまた新たな人物登場。
 山脇に向かって親し気に声をかける黒人美女と、聡に付きまとう謎の男子生徒。さらには聡の義妹の存在に、アパートの火事の謎。
 それぞれの想いと思惑(しわく)が絡まりあい、知らぬ間に美鶴も巻き込まれていくのです。







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